当協議会における不明確な会計処理に関するお知らせ

本件に関する以前のお知らせ

令和6年3月18日

 

 令和5年10月に当協議会役員、理事からの選出者を構成員とした未来戦略会議を発足させ、これまでの問題点を洗い出し今後の再発防止に向けた話し合いを重ねてまいりました。その結果をまとめたものが答申として会長に提出されたため、以下にご報告申し上げます。

 

 

 

答 申 書

 

冒頭文(神奈川県PTA協議会のあるべきカタチ)

 

 今回の使途不明金を受けて改善案を提示する前に、協議会のあり方について以下のとおり示します。

 神奈川県PTA協議会は神奈川県下全PTAの応援団です。そこに不明瞭なこと、会員に説明できないことがあるのは信頼を無くし、どんなに頑張り、笑顔で活動をしていたとしてもそれが偽りになってしまうことを自覚するべきです。

 子どもは大人の背中を見て育っています。その子どもに対して胸を張れるような存在であるべきで、子どもの笑顔を守るためにも、神奈川県下から選ばれている代表だという自覚を持ち、それぞれが自分の役割をしっかりと自覚して馴れ合うことなく誠実さをもった活動があるべき姿であると考えています。

 保護者、教員だけでなく、これから関わる、これまで関わってきたすべての人に対してのイメージを伝える事になるので、協議会の役割のひとつでもある情報発信は透明性をもって行い、その前提として保護者にも、先生にも、そして子どもにも夢や希望を与えられるような組織であるよう会員に寄り添い、神奈川県内で頑張っている各PTAが交流できるプラットフォームとして信頼される距離感の近い存在足るよう努めましょう。

 その先には子どものためにひとつに向かい、同じ時間を共有することで共感が広がり、変化を恐れずチャレンジする健全性のある誰もが関わりたくなるよう一体感をもった運営が期待されます。まずは子どもが笑顔になり、関わる大人も笑顔でみんなを巻き込んだ寛容性のある組織のあり方を目指しましょう。

 そのうえで、今回の使途不明金に関して未来戦略会議として検討した改善案を以下のとおり会長に答申します。これらを参考に、より良い県Pの仕組みづくりを行いましょう。

 

改善案(これからの神奈川県PTA協議会に必要なこと。)

 

【使途不明金発生の原因について】

 最初から不正を働こうとしたのか、あるタイミングで会計のミスが見つからなかったから手を付け出し、見つからないからという思いが累積して悪事を重ねたのかは分かりません。しかし、根本的なところでは、事務局を信頼しきっていた執行部の対応にも問題が多いように見受けられます。

 今回特に会計については、間違いを見逃さない緊張感を持った対応が執行部と事務局の双方に不足しており、邪な思いを持たないような意識の向上と仕組み作りをして、恣意的な会計の不正流用は業務上横領という犯罪だという認識を持ち、それが双方の健全な関係性を担保することを意識しましょう。

 

◯会計処理を事務局一任になってしまった

◯執行部が会計に関与していなかった

◯会計監査が曖昧に行われていた

◯第三者の目を入れ客観性を担保出来ていなかった

 

【再発防止に向けて】

 今後二度とこのようなことは起こらないようするべきであり、そのためにはまずは人が行っていることという考え方のもとで、怠慢や馴れ合いを防止し、透明性を持った客観性のある手続きを経て不正が起きにくい仕組みを作ることが執行部や事務局など県Pにとって実は安心感を与えるということを念頭に置くべきです。

 一方で、馴れ合いを防止するだけではなく、事務局との積極的なコミュニケーションを通じて業務や心理的な負担を含めた状況を把握することも重要です。

 

◯金額に応じた段階的な決裁権を設定する

◯複式簿記を採用する

◯財務会計システムなどのデジタル技術を活用して履歴を残す

◯会計監査の業務の重要性の認識及び改善

◯税理士など外部監査機能の採用

◯事務局の任期の設定(6年〜8年)

 

【事務局の業務改善について】

 事務局が孤立しないこと、させないことを念頭に置きつつ、お互いの関係性は尊重しつつも、決定権を持つのは執行部であり、事務局が影響力を持ちすぎることがないようにしっかりとガバナンスを効かせてバランスを保つべきです。

 また、事務局同士の情報共有がなされていなかったということもあり、コンプライアンスの意識を高め、どういった仕組みであれば内部統制が働くのか検討の必要があります。記録を残す、資料の紛失がないなど最低限行うべきことは明確化して、事務局の見える化を図ることが望ましい姿です。

 

◯事務局の任期の設定(6年〜8年)

◯LINE WORKSなどデジタルを活用した簡便な形での業務報告

◯事務分掌の決定及び担当の年度ごとの変更

◯採用時の人物チェック及び本人の意志の確認

◯雇用条件の精査及び雇用契約時の双方の確認

◯研修の受講

◯就業規則の見直し・遵守

 

【会計事務の見直し】

 執行部も身を引き締めて、会員からの貴重な会費だという緊張感をもって会計には当たるべきです。そのための仕組みづくりとしては、監査だけでなく会計の役割を執行部に持たせて関与の度合いを高め、お金の動きをみんなで分かるようにして、最終的な問題の表出の手前で課題を見つけることの出来る体制の構築が必要です。

 また、第三者の目も入れながら会計の役割を分担して、誰の目から見ても明らかになるように合理的な仕組みでしっかりと記録に残す必要があります。

 

◯金額に応じた段階的な決裁権を設定する

◯税理士など外部監査機能の採用

◯財務会計システム及び複式簿記の導入

◯会計担当役員の創設

◯規約の見直し及び規約の遵守の徹底

◯事務局の会計分野の研修の受講

 

【監査業務の見直し】

 協議会の会計については単位や市町村郡のPTAに比べてボリュームも大きいので、年度の最後に合うか合わないかということをやっていると、見落としも起こり得るので、年数会に分けて監査を行うことや、会計役員によるチェックをまめに行うなど、業務に正確性を担保しつつ、現状の共有も逐一行うことが望ましいです。また、数字だけではなく、会計執行の内容についてもボリュームが大きいと正当な支出かどうかを吟味することができなくなるので、期間を区切っての監査の導入のメリットとなります。その際、負担が大きすぎると担い手が不在になるリスクは考慮するべきです。

 そして、これまで何となく領収書と帳簿、通帳の突合をしていたこともあり、監査業務が明確になっていないことも課題です。

 

◯監査を年度内複数回にする(半期、四半期に1度程度)

◯会計役員による月1程度の会計チェック

◯会計監査業務の明文化

 

【組織運営について】

 今回の反省点として、より多くの人に県Pのあり方、仕組みについて理解をしてもらい、みんなで運営するという体制にすればある程度多くの目が入り、防止できるという観点もあります。しかし、今の県Pでは風通しが良い雰囲気と言うには遠く、新たな理事さんがなかなか発言できないということもあることがわかりました。

 これからは、会員あっての運営であることを念頭に置き、その会員の代表である理事とは積極的に意見交換を行い、早い段階で仲間意識をもつことが望ましい。執行部の理論で成り立たせるのではなく、理事ファーストでの運営を行うべきです。

 また、事務局がすべてをグリップして進めることが無いよう、馴れ合いではなく信頼関係を構築するため、執行部も意識を高く持つ必要があります。

 

◯理事が理解を深めるための研修の充実

◯時間配分等理事会運営の工夫

◯LINE WORKSなどデジタル技術を活用した意見箱

 

【PTAのTについて】

 PTAの組織には「T」、先生がいます。通例として校長会や教職員組合との意見交換会は行っていますが、特に現場との距離感は年々隔たりが大きくなっていないでしょうか。保護者への配慮も必要ですが、先生も組織の一員として大事にする必要があります。

 子供達のためという目的は一緒ですから、先生たちがやりたい、学校で実現したいことは何かに耳を傾け、それを協議会と共に先生が夢を叶えられるような組織であれば、より信頼関係が築け、直面する課題を一緒に乗り越える有意義な組織となり得ます。

 

◯先生はPTAとしては組織の一員仲間=大事にする

◯現場の先生の声の収集と解決への協力

◯ブロックごとに先生との連携を強化する

◯先生との関係性に係る好事例の横展開