意見・要望に対する回答(県教委)H23-H24

 県P教育問題研究委員会(現 大人の背中委員会)では、平成23年度において神奈川県内の7ブロック協議会24市町村郡PTA協議会に、教育行政に関する要望を広く募り、委員会において精査・選考し、県教委に対して「教育に関する意見・要望書(平成24年5月25日)」を提出しました。

 

 1-① ア・テストの様な県内統一テストの実施について
 1-② 土曜授業の復活について

 2-① 教職員の配置について教えてください。

 3-① 県立高校の今後のあり方は・・・

  4-① 中学校の内申点って、学校によって不公平じゃないですか?

 4-② 進路指導を塾に任せきりになってませんか?

 

 県教委では、これら私どもの意見・要望に対して、担当部署毎に誠意ある対応をしていただき、平成24年8月28日付けで以下のとおり回答がありましたのでご報告いたします。 

 

平成24年8月28日

神奈川県PTA協議会会長   様

同教育問題研究委員会委員長 様

神奈川県教育委員会教育長

(  公  印  省  略  )

 

                神奈川県教育委員会への意見・要望について(回答)

 

 本県の教育行政の推進につきまして、日ごろ格別の御理解、御協力をいただき厚くお礼申し上げます。

 さて、平成24年5月25日付けで御依頼のありました標記のこよについて、別紙のとおり、回答いたしますので、御査証くださいますようお願いします。

 

 

 

以下別紙

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1-① 学力テストについて

 平準化、機会の公正公平を図るためにア・テストのような統一テストの実施を要望します。転入生、帰国子女などについては一定の配慮を設けたうえで、更に統一テストを実施できない事由や必要性がないと考えられる理由があれば回答頂きたい。

 また、生徒個人の成績がどのポジション(偏差値、学年順位など)にあるのか理解できる、成績分布表のようなものを県内統一で作成を要望します。

 

1-① 回答

 平成24年度から全面実施となった新しい学習指導要領では、「基礎的な知識・技能」のみならず、「知識や技能を活用し、自ら考え(思考)、判断し、表現する力」や「学習に取り組む意欲」が、学力の重要な3つの要素とされています。

 これは、学力を知識の量のみで捉えるのではなく、子どもたちの多様な能力を多角的・多面的に捉えることが大切であるといった、新しい「学力観」の考え方に基づいたものです。

 したがって、現在、小・中学校は、ペーパーテストだけでなく、授業での発表や討論などの活動状況、ワークシートやレポート、作品等の作成・発表など、様々な学習活動を通して子どもたち一人ひとりの学力を把握し、その後の指導に生かしています。

 現在、県教育委員会は、各学校で、こうした新しい学習指導要領の趣旨の理解がより一層進み、新たに示された学力の3つの要素がバランスよく育成されるよう、市町村教育委員会と連携しながら、取組を進めているところです。

 提案のあった「統一的な学力テスト」については、ペーパーテストは、主に知識や理解力を測る傾向が強くなるなどの課題があるため、現在実施しておりません。

 しかしながら、保護者の皆様に、入試選抜に関わる様々な不安があることも承知しており、ご意見にありました、生徒自身の学力が他者と比較してどの程度の位置にあるかという指摘については、現在、県教育委員会ホームページに「学習評価に関する調査結果」として掲載している、県内公立中学校3学年(単学級校を除く)の、教科別・5段階別評定割合を参考にしていただくことも考えられます。

 

1-② 土曜授業の復活について

 東京都、横浜市が土曜授業を復活する予定、もしくは既に実施をしています。一方、教師の多忙化、授業量の増加などから、土曜授業を復活させないと、中学校では思春期の大変大切な学びの両輪である部活動にも大きな影響が出る現状です。また、小学校では地域性や個性ある学校の取り組みが殆ど出来ず、詰め込み型の教育をせざるを得ない現状です。(現状認識に誤りがあればご指摘ください)労働基準法に抵触する問題や、様々な課題を他市、都の取り組みを参考にし、「子どもたちの学び、学力向上」の為に、土曜授業復活のために協力できることがあればご教示頂きたい。

 

1-② 回答

 「学校週5日制」の導入の趣旨は、土曜日を活用して、児童・生徒の家庭や地域での生活時間の比重を高めて、主体的に使える時間を増やし、学校・家庭・地域社会が相互に連携しつつ、子どもたちに社会体験や自然体験などの様々な活動を体験させることであり、平成24年度から全面実施となった新しい学習指導要領も、「学校週5日制」のもとで実施することを前提としています。

 しかし、一方では、授業時間数の増加などにより、平日の日程が過密になり、部活動や放課後の活動に影響が出ているなどといった意見も聞かれています。  

今回横浜市が行う試行では、月に1回を上限として、原則、保護者に公開する授業が想定されています。

 小・中学校の教育課程の編成は、地域の状況等を踏まえて設置者である市町村が定めるものですので、土曜日の扱いについても、市町村教育委員会の判断としております。

 

2-① 教職員の配置について

教職員の雇用体系・種別・雇用される人数について教えてください。

その上で各雇用体系別の採用権限が、今どこにあるのか教えて頂きたい。

今、学校現場では若い先生が多数を占めつつあります。このような中、ベテランの先生の力が必要だと保護者は感じています。嘱託という制度がありながら、あまり活用されていない現状があるように思えるがどのように捉えているのか?また、活用のための改善策は検討されているのか教えて頂きたい。

 

2-① 回答

・ 教職員の雇用体系また各雇用体系別の採用権限について

 市町村立小・中学校の教職員の雇用体系は、(1)正規職員、(2)臨時的任用職員、(3)非常勤職員、そして(4)再任用職員に分かれます。

 また、それぞれの任用権限については、次の表のとおりです。

       職 種

 

 

雇用体系

教員・事務職員・学校栄養職員

調理員・用務員・学校図書館事務員

政令市立学校

一般市町村立学校

政令市立学校

一般市町村立学校

(1)正規職員

政令市

政令市

市町村

(2)臨任職員

政令市

政令市

市町村

()非常勤

政令市

政令市

市町村

(4)再任用

政令市

政令市

市町村

※ この他に、市町村が独自で教職員を雇用している場合があります。その主なものとして、正規職員では学校栄養職員、非常勤職員では学習支援員や介助員などが挙げられます。

 

・ 再任用制度について

 県教育委員会が任命権を持つ小・中学校の教職員は、今後10年間で約4割が入れ替わる大量退職、大量採用の状況を迎えています。

 再任用制度は、ベテランの教職員が持つ知識や経験、ノウハウ等を若い世代の教職員に継承でき、学校の教育力の維持を可能にするものと考えています。

 県教育委員会では、定年退職する全ての職員一人ひとりに再任用制度について周知して、積極的な活用に努めており、再任用者数は、年々増加しています。

 

3-① 県立高校について

 県内高校にランク付けをしないという方針を県教育行政では出されています。また、個性ある学校作り、そして、生徒の可能性を生かすという事から、どこの学校でも受験してかまわないという指導をされています。しかし、現実には「学力」(内申点・入試・面接)で学校を選択せざるを得ない現状を踏まえ、今後はどうあるべきとお考えでしょうか?

 

3-① 回答

県立高校では、生徒一人ひとりの多様な学習ニーズや興味・関心、進路希望等に対応するために、幅広く多彩な教育内容を提供しています。

 高校選びのためには、まず、それぞれの学校の特性をきちんと理解することが大切であり、①全日制・定時制・通信制といった学びのペースや学習の方法、②学年制や単位制という学びのしくみ、③普通科、総合学科、専門学科といった学科ごとの特徴や各校が重点的に取り組んでいる特色などを考えることが必要です。

 また、「学力」については、「基礎的・基本的な知識・技能」のみならず、「それらを活用して課題解決にあたるための思考力・判断力・表現力、その他の能力」、さらには、「主体的に学習に取り組む態度」(学習意欲)という、新しい学習指導要領が求める学力の要素をとらえておくことが必要です。

 そこで新たな入学者選抜では、これらの「総合的な学力」を中高接続の視点から的確にとらえていくことができるよう、共通の検査として「学力検査」と「面接」を実施し、調査書の評点も活用して選抜を行うこととしています。

 志願する学校を考えるにあたっては、まずは、高校の特色を知り、自らが学びたい特色をもつ高校を考え、その上で、調査書や学力検査、面接という選抜の際に求められる「総合的な学力」も考えて、自らの興味・関心や適性・能力にあった志願先を選択する必要があると考えています。

 適性や能力に応じた学校選びのためには、日ごろから生徒の学習状況等をきめ細かく把握している中学校における進路指導が重要であることから、市町村教育委員会を所管している担当とも連携をとりながら、各中学校での進路指導の充実を図っていきます。

 

4-① 公立中学校の評価について

内申点のつけかた、評価の仕方が、県内で画一的に出来ていないという意見を頂く事が多くあります。(○○市は評価があまい、どこどこの学校は○○先生は厳しいなど、現実的な話題として常にあがり続けています)今後、どのように平準化を図っていかれる予定があるでしょうか?

 

4-① 回答

 現在、中学校で行われている「目標に準拠した評価」、いわゆる絶対評価は、平成12年、当時の教育課程審議会(現在の中央教育審議会教育課程部会)の提言を受けて、平成14年度、全国一律に導入された評価方法です。

 この評価は、クラスや学年の中の順位で評価するのではなく、学習の目標や内容をどこまで達成できているかを評価するもので、一人ひとりの子どもの良さや可能性をのばすために導入されたものです。

 したがって、学校ごと、教科ごとの、一人ひとりの達成度の状況には違いが出てきますが、重要なのは、一人ひとりの子どもの学習の状況が正しく評価されているということであり、各学校において、評価規準に基づいた適正な評価が行われることが大切であると考えています。

 導入当初、高等学校の入学者選抜の資料になることから、学校間のばらつきによる不公平感が指摘されたため、県教育委員会では、全県で統一的に評価の手順を定めたり、評価規準の作成方法などを示した指導資料を作成するなど、評価の制度を高めるための取組を行いました。

 また、毎年度、県内全ての中学校3学年(単学級の学年を除く)の教科別の評価結果について調査を行い、それぞれの教科の評定(5・4・3・2・1)の割合が県平均より10ポイント以上高い、または、低いなどのケースについては、市町村教育委員会に指導を依頼するとともに、ホームページで学校別・教科ごとに5段階評定の結果を公表しています。

 さらに、検証のため、平成19年度から21年度に、横浜国立大学に委託して、県の学習状況調査の結果と学校での評価結果との相関を調査したところ、各学校において概ね妥当な評価が行われているという結果も得られております。

 県教育委員会としては、今後も、各学校において、「目標に準拠した評価」の趣旨に基づいた適切な評価が行われ、妥当性・信頼性が高まるよう、実態の把握に努めるとともに、必要に応じて市町村教育委員会を指導してまいります。

 

4-② 進路指導について

進路指導について、教職員が指導をすることを回避し、塾に指導を求める学校があるという意見を多く聞きます。このような現状をどのように考えるのか回答頂きたい。またそのような状況を容認せざるを得ない場合、塾に行けない生徒はどのように対応すれば良いと考えるか明記頂きたい。

 

4-② 回答

中学校の進路指導では、日頃の生徒の学習の状況等を踏まえて、学校として責任ある指導を行うことが大切であり、ご指摘のあったような内容は、あってはならないことだと考えております。

 県教育委員会としては、平成25年度に入学者選抜制度が変更になることから、各中学校で全ての教員にその内容をしっかり周知するよう、市町村教育委員会教育長あてに通知を発出するとともに、5月に行われた県・市町村教育長会議や県中学校長会総会の場において、保護者の声も紹介しながら、各中学校でしっかりとした進路指導が行われるよう、改めて要請しております。

 

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 神奈川県PTA協議会では、この様な機会を通じて県教委や県校長会、現場の先生方とキャッチボールをしながら相互理解を深め、課題解決に取り組んでいます。ぜひ多くの皆様から本年も要望や質問を頂けますよう、ご協力お願い申し上げます。要望や質問の収集に関しましては、23年度同様に各地の神奈川県PTA協議会常任理事もしくは役員よりご案内いたします。

 回答書のホームページへのアップに関しましては、役員会・理事会での多くの意見を集約し実施をするに至りました。要望書に関するご意見やご感想に関しましては、所属されるPTAもしくは学校名とご連絡先を明記の上、県Pホームページ「問い合わせ」より、お問い合わせくださいますようお願い申し上げます、平成24年度に反映させたいと考えております。
 懇切丁寧に回答頂きました神奈川県教育行政の皆様並びに関係される皆様方には改めましては厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。

 

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