まなびや通信 バックナンバー



ほぼ隔週刊 まなびや通信No.78 神奈川県PTA協議会
2015年2月24日発行

━━━■目次■━━━
【1】神奈川県PTA 今後の予定
【2】会員投稿コラム:虹の彼方に 伊勢原・磯部
【3】編集後記
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━━━━━━━━━━━━ 【1】神奈川県PTA 今後の予定 ━━━━━━━━━━━━ 3月24日(火)アミュー厚木 13:30~14:50 役員会 15:00~16:30 理事会 4月14日(火)(会場未定) 15:00~ 新旧役員会 5月15日(金)青少年課神之木台分館  13:30~14:50 新旧役員会 15:00~16:30 新旧理事会 6月5日(金) ザ・ウィングス海老名  詳細未定、内容:平成26年度 広報紙コンクール表彰式          平成27年度 定期総会
━━━━━━━━━━━━ 【2】会員投稿コラム:虹の彼方に 伊勢原・磯部 ━━━━━━━━━━━━  先日、我が伊勢原市で「子どもの性同一性障害を考える」子どもの言うことに耳を澄ませてみようと題された人権セミナーに参加してきたのだが・・・ふとこんなことを思い出した。  もう30年ほど前の話になるが、こう見えても20代前半からしばらくの間、東京青山界隈でファッション関係の仕事をしていた時期がある。(そのころは痩せていたのだ!)いわゆるDCブランド華やかなる時代であり、今思えば不思議な時代でもあった。小生それなりに一生懸命仕事はしていたので、そのうちにブランド立ち上げのセールスプロモーションなども任せてもらえるようになり、アトリエ(ファッションデザイナーの仕事場)などにも頻繁に出入りするようになった。  ファッション業界にはゲイが多いという話は聞いたことがあると思いますが、それは本当です。 今もファッションデザイン界の大御所にはゲイが多いし、才能溢れる若手にもゲイは多いのです。小生がその業界にいたときはゲイがいることが当たり前、当然社内の誰がゲイなのかは皆が知っていたし、偏見を持つ者などはいなかったように思う。小生は彼らが好きだった。(そっちの意味ではありませんから!)まったく彼らの所作には学ぶべきところが多かったからである。  まずは凄まじく完璧にお洒落であった。そしてあらゆる事、特に芸術・音楽関係には驚くほど博識であり、さらには常に自分は観られているという意識を持っているように仕草は美しいし、食事のマナーも素晴らしく上品だったりするし、とにかく「魅せる」ということを意識していて実に佇まいがよろしいのである。当然ながら、今これを読みながら怪訝そうな顔をしているあなたのように、 人前でオナラなどしないし鼻くそなどほじくらない。  自慢するわけではないが、小生はそんな彼らに良くモテた。(繰り返しにはなりますが痩せていたころの話ね!)宴席などではいつの間にか隣にいて、そしていつの間にか自然に肩にもたれ掛かってきていたりして、耳元で何やら囁かれちゃったりすることも・・・
彼  「磯部さん...あのさぁ...お付き合いは女の人とだけなの?」 小生 「んん???そうだけど...」 彼  「あら~不幸だわ~もったいない...新しい世界がすぐそこにあるのにぃ♪今日うちに来ない?」・・・  これ以上リアルに書くと興味を持たれる方が出てきてしまったり、それが原因で家庭崩壊に至ってしまっても困るのでこのくらいにしておくが、そんなことは当たり前にあった。  ここしばらく、前述のような人権セミナーなどが開催されるようになり、「性同一性障害」等についても語られることが多くなってきたように思う。講師を務めておられる方もそれなりに詳しくデータを調べており、大学の研究者や医師に問い合わせた上での資料を提示しながら熱弁を振るってくれるのだが、小生の性格が悪いためか、講師の方の言葉の端々に偏見を感じてしまうのである。  これは小生の考えに過ぎないことを予め断っておくが、まず「障害」や「治療」という文言が頻繁に登場するのが気に入らない。これは病気であって治療が必要なものなのか。当事者に生ずる一番の困難とは、日常生活を送る上での外的原因が主の心理的障害が生じてしまうということで、当事者の精神的・肉体的障害などではないだろうということである。  全く以って外からの「障害なので治療が必要」という言葉で一括りにされてしまうのはいかがなものか。当事者の思いは「これが自分の自然な姿なので認めてほしい」なのではないか。 もちろん講師の方は後段で「そのような子どもたちには、偏見を持たずに受け入れる環境が必要である」と締めるのだが、前段の話の内容については嫌味の一つも言いたくなってしまうのだった。  いわゆる「LGBT」に悩む人の数は全国で4万人を超えると聞く。我が国の人口3000人に1人の割合であるが、実際にはもっと多いのだろう。皆さんの住んでいる地域に当てはめてみるとどうだろうか。  さて、皆さんは「教職員のためのセクシャル・マイノリティサポートブック」という冊子をご存知だろうか? <奈良教職員組合>と<性と生を考える会>の協力で、ざっくり言って「LGBT」などに悩む児童に対するサポートを考える。という趣旨に基づいて2010年に第1版が、続いて2014年に第2版(改訂版)が発行されたものである。<http://say-to-say.com/> からダウンロードできるので、皆さんにも是非ご一読いただきたい。これはこの手のガイドブックとしては秀逸で、神奈川県の全教職員・保護者にも配られるべきものだと思っている。  一昨年度、伊勢原市ではニューハーフの方のご自身の体験談などを主題に講演会をお願いし、多数のPTA関係者にご参加いただいた。本年度は残り少ないが、年度内に市P連の非公式事業として「社会科見学※新宿2丁目ツアー♪」を企画している。  これは新宿2丁目で生きる「オカマ・ニューハーフ」と呼ばれる方々が、幼少のころにどのような思いであったか。またカミングアウトした時の周囲の反応などのリアルな話をうかがい、より質の高い講演会を催すために大真面目に企画したものである。  友人である先方も企画の趣旨を理解し快く引き受けてくれた。市P連のメンバーからもこれに参加したいという声が多く少々びっくりしている。もちろん好奇心からの参加でも結構、極端な話ではあるかもしれないが、そのような方々がなぜ「新宿2丁目」に生活しているのかの理由をも知ることとなるだろうが、その笑顔の奥にある悲しみも感じてもらえるのではないかと思う。  PTAに関わる者として、非公式とはいえそのような企画をすることで逆に批判の目を向けられることもあるかもしれない。  しかし、ここで少し皆さんにも考えてみて欲しいのだが、しごく当たり前に、あなたの会社の隣の席に、隣の家に、同じ教室に、思いに悩む彼ら・彼女らが存在することは、あなたがそこに存在することとなんら変わりはないはずである。  「レインボーフラッグ」はカミングアウトした彼ら・彼女らのシンボルとなっているが、「オーバー・ザ・レインボー<虹の彼方に>」の歌詞にあるように、虹の向こうにはきっとすばらしい世界があるはずとの切ない想いと同時に、その虹の美しさで彼ら・彼女らの辛さを覆い隠そうという想いもあるのではないだろうか?           (伊勢原・磯部)
━━━━━━━━━━━━ 【3】編集後記 ━━━━━━━━━━━━  県PTAの今後の予定に見えてきたように、来年度に向けた動きが、いよいよ本格化していきます。  毎年春になるとPTAの必要性がメディアの話題に登ることが多い中、県PTAとしても、自らの会則のブラッシュアップに加え各市町村の単位PTAのあり方も視野に入れた活動の見直しは必須でしょう。時代に合わせ、必要性に合わせた活動こそ、PTAの存在意義ですね。  そんな中、磯部さん御報告の伊勢原市の活動も興味深いものですね。議論の多い事柄こそ、議論をしなければならない事柄なのかも知れません。  さて、先頃の神奈川県教職員の方々との意見交換会でもネットの利用の仕方は話題の一つでしたが、内閣府から「平成26年度青少年のインターネット利用環境実態調査結果」が公表されています。 (http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/chousa/h26/net-jittai/pdf/kekka_sokuhou1.pdf)  各家庭によって使い方のルールは自由であるべきと言うのも一つの立場ですが、「青少年インターネット環境整備法」というものがあるのはご存知でしょうか。  この法律は青少年がネット環境を安全に使用するために、キャリア、プロバイダ等そして保護者にその整備の責任を負わせるものです。 (http://www8.cao.go.jp/youth/youth-harm/law/)  最近キャリアやプロバイダーによる無償の安全教室などが増えているのはこのためではないかとも思いますが、その利便性だけでなく、まず保護者自身がその利用実態に目を向けご自身の利用の仕方だけでは見ることも知ることもない危険な状況を知り、被害者としてだけでなく、加害者としても負わねばならなくなる責任、加えてその利用実態から生じているであろう将来への弊害に気づくことも大事ではないでしょうか。  横須賀市等、大胆な対策に乗り出すPTAもあるようです。一人一人の保護者の後押しをするのも、県の活動としては大事ですね。        (清川・笹原) ---------------------------------